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2009年度キックオフインタビュー 山村 亮主将

キャプテンとして2年目をむかえる山村亮選手が今シーズンの意気込みを語ります。

2009年度キックオフインタビュー 山村 亮主将

4月15日、2009年ヤマハ発動機ジュビロ全体練習がスタートしました。キャプテンとして2年目をむかえる山村亮選手が今シーズンの意気込みを語ります

—— 新しいシーズンを迎えたチームの雰囲気はどうでしょうか。また、オフはゆっくりできましたか?

山村 ● オフ中、最初の数週間はゆっくりして、それからぼちぼちと体を動かし始めました。新しいシーズンの始まりは心機一転、非常に新鮮な気持ちです。誰もが真剣な表情で練習に取り組んでいるように、いい雰囲気の中でスタートした感じです。

—— 監督が、3年間指揮をとられた堀川隆延氏から、ケビン・シューラー氏に代わりました

山村 ● ハーブ(※ケビン・シューラー監督の愛称)と一緒にプレーをしたことはありませんけど、僕がヤマハジュビロに入団してから総監督で2年、アドバイザーとして1年の計3年間、コミュニケーションを取っていますし、日本語も上手く、積極的に話しかけてくれたりと、新しい監督という違和感はあまりないですね。今シーズンの始まりにハーブとまず話したことは、お互い「一体感」を大事にする雰囲気を心がけよう、ということでした。

—— キャプテンとして2年目のシーズン、1年目と比較して気持ちに変化はありますか

山村 ● 昨年は何もわからないままの1年で、本当にあっという間でした。7位という結果は、みんな悔しいだろうし、僕自身も本当に悔しい。だから今シーズンはチーム、僕自身と危機感を持って臨む勝負の年。結果を残すために、一日、一日を大事に過ごさなければという思いです。キャプテンとしては、ご存知のように少し口下手なので、ラグビーに対する取り組みや、情熱という部分で誰にも負けない姿勢を貫きつつ、チームを引っ張っていきたいですね。一番の原動力はプレー。自分のプレーが成長すれば、チームも成長するのかなと。でも、それだけではなく、キャプテンとして全ての面で昨年以上の成長ができるよう、精進していきたいです。

—— プレー面では、昨シーズン限りでチームを去った選手が多く、特にフロントローでプロップ2人、フッカー1人が抜けました

山村 ● 僕は、今いる選手の年齢や経験が若いことをあまり意識していません。それより大事なのは、ひとりひとりの意識。人数は減ったかもしれませんが昨シーズン、境川(久選手)や圭太(加藤選手)は飛躍的に伸びました。2人のように育っていることが非常に楽しみ。今年は、フロントローに2人、フッカーの新人が入ったのでこれから先、いい競争ができると思っています。

—— その新入団選手の印象は

山村 ● 3月下旬から寮に入っていますので、会えば普通に話をします。彼らは平日は新人研修なので、一緒に練習できませんけど、土曜は揃って練習をしています。大学からの4人(岸、髙木、川本、井本)はいずれもリーダー経験者。物怖じせず、どんどん意見を出して欲しい。モセ・トゥイアリイは、昨シーズン1月に来日し、ヤマハスタジアムで挨拶をした時のアフロな髪型にびっくりしましたが、とても陽気でフレンドリー。チームに溶け込むのも早いと思います。スーパー14 で活躍していたことは、テレビ等を見て、みんな知っていますので、早く一緒にできることを楽しみにしています。フレッシュな選手が入ると、新鮮な空気にチーム内が活気付きますから。

—— フォワードに関して昨シーズンは、セットプレーが非常に安定しました

山村 ● 分析によると、昨シーズンのラインアウト獲得率はトップリーグで一番良く、スクラムがレベルアップしたことは、みんな実感しています。これは、春から基本を地道に繰り返してきた結果。ただ、この結果に満足することなく、成長を止めないよう、今シーズンも繰り返し基本を大事にしていきたいです。

—— 春、チーム全体として掲げる目標は

山村 ● コンタクト、ブレイクダウンのスキル強化といった、基礎的な部分を丁寧にやること。前5人は、走るメニューを少し削ってでもウェイトトレーニングを多くするなど、継続して体を大きくすることに取り組んでいます。オープン戦のスタートは6月6日、それまで基礎をしっかり身につけます。

—— 新入団選手記者会見においてシューラー監督は、「コリジョン(衝突・collision)」という言葉を繰り返し使っていました

山村 ● コンタクト、接点に加え、選手同士による意見のぶつけあい、といった意味も含まれていると思います。お互い腹を割ってというか。もっと若い選手たちが練習から声を出すような雰囲気になれば、チームとして更にいい方向へ進むと思います。そのためには、上の年代にあたる僕らが、もっと若手にいろいろなことを教えていかなければ。

—— 上の年代という表現されましたが、山村選手は今年で6年目のシーズンですね

山村 ● 同期入団の選手が減り、寂しさはありますが、とにかくこの5年は本当に、あっという間でした。入団1年目は優勝に手が届きそうでしたが、それ以後、決勝の舞台に立っていないので、もう一度立ちたい。決勝への強い思いはあります。

—— そこへいくために、必要なものは

山村 ● ひとつ挙げるならディフェンス。強いときのヤマハはディフェンスがしっかりしていました。後はブレイクダウン、コンタクトの激しさ。この部分は、昔ヤマハが強いときの売り、そして原点だと、昨年のミーティング等で先輩方からお聞きしました。トライが取れるようになったりと伸びてきた部分はありますが、強いヤマハになるためにはもう一度、原点へ返る必要があると感じています。ヤマハを関西社会人Aリーグ優勝へ導くなど、今あるチームの土台を作ったのはハーブ。その手腕に期待している部分はあります。でも、期待だけではなく、自分たちから作り上げていくことが重要。もっと選手から意見を出していかなければ。

—— シーズンを通した中で、最初のターゲットは

山村 ● まず今シーズンのトップリーグ開幕戦。昨シーズンは、クボタに1点差で負けました。あそこで勝っていたら、違う流れになったかもと、正直今でも思います。スタートダッシュではありませんが開幕戦は、とにかく1点差でも勝ちにこだわることが非常に大事。そこへ照準を合わすため、春シーズンでチーム、選手の土台となるフィジカル、基礎、体の使い方、コンタクトといった部分をしっかりやっていきます。

—— ところで、山村選手は、温厚なイメージですが、試合中に怒ったりすることはありますか

山村 ● 怒らないわけではありませんが、怒りを表に出すことはほとんどないですね。試合中に、怒って得することはないので、その分プレーで返そうと思います。なぜ怒らないか、特に理由はありませんけど、穏やかというか、性格でしょう。

—— 一日、一日を、一瞬を大切にすると、よく口にされている山村選手ですが、時間を無駄なくうまく使うコツは

山村 ● 計画をきっちり決めるのではなく、ある程度頭の中で整理をして明日やる練習メニューを考え、それを実行するだけです。やりたくないと思うことはあります。でも、やらなければ後悔することがわかっているので、例えば体調が悪いとか、よほどのことがない限りは、自分に負けないよう、妥協しないようにしています。でも四六時中ではなく、休むときは休む、やるときはやるといった、オンとオフの切り替えやメリハリをつけることは大事にしています。こう見えても休みの日は、だらだらしていますので(笑)。

—— オープン戦の始まりは6月ですが、山村選手的な見所は

山村 ● フォワードとして、去年までゴール前においてはボールをきれいに出すという意識がありました。でも今年は美しさにこだわるのではなく、ゴール前でフォワードがいけるところは確実に取りきる、といった気迫あるプレーを見てほしい。ラインアウト、スクラム、サイドアタックにしろ、相手が嫌がる、ヤマハともうやりたくないと思うような、ヤマハの原点である「コンタクト」を見せていきたいです。監督が変わりましたので、ヤマハのラグビーも少し変わるでしょう。どこが変わるか、それはグラウンドへ来ていただいてのお楽しみ、ということでぜひ、グラウンドへお越しください。

—— ファンへメッセージをお願いします

山村選手

山村 ● 今年のシーズンがスタートしました。6月から始まるオープン戦は、練習場の大久保グラウンドで2試合、ヤマハスタジアムで1試合、県外で2試合の計5試合を予定しています。試合だけでなく、練習からグラウンドで熱い声援を送っていただくことは、チームの力となりますので、ぜひ皆様応援に来て下さい。今シーズンは、チームに、そして僕自身にとっても大事な年なので、ファンの皆様と一緒に戦い、頂点を目指し頑張っていきます。ご声援、よろしくお願いいたします。

インタビュー:清水良枝

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