2013-2014年度トップリーグ 1stステージ 第6節

五郎丸選手が21得点、首位キープ＆グループA入り確定

　東芝戦から1週の間をおいて再開されたトップリーグ第6節。近鉄花園ラグビー場にて、関西ラグビーの古豪・近鉄ライナーズとの対戦となった。

　近鉄のキックオフから試合が始まる。序盤から近鉄FWが前進、サモ選手が長身を活かしてトライ。0-7と先制点を許す。

　6分、五郎丸選手のタッチキックから相手陣に入る。ラインアウトから展開し、大田尾選手が相手インゴールにボールを蹴りこむ。サウ選手や田中選手らが一斉にラッシュをかけ、共に追いかけた五郎丸選手の前にボールが転がり、トライ。五郎丸選手自らゴールを決めて7-7の同点とする。
　
　18分、サウ選手を執拗にマークする近鉄がオフサイド。五郎丸選手がペナルティーゴール（以下、PG）を確実に決めて10-7とする。

　近鉄はサモ選手やイエロメ選手など強力なランナーを使い、ヤマハ陣に攻め込むが、日野選手やポトヒエッター選手らが懸命のタックルで防ぐ。しかし、30分に近鉄の重光選手にPGを決められ10-10と再び同点となる。32分には近鉄はサモ選手の突進から、連続攻撃を展開。ラックから出たボールを重光選手が右コーナーにキックパスを放ち、追いかけた李選手がトライ。10-17と近鉄に流れが傾く。

　ヤマハに思いがけないピンチが襲いかかる。ハードタックルが身上の池町選手が出血により、一時退場に。急きょ曽我部選手がスクラムハーフのポジションに入る臨時体制を強いられる。しかし、曽我部選手は持ち前のラグビーセンスから、的確にボールを味方選手に供給し、序々に相手陣に攻め込んでいく。

　前半終了間際、徐選手の力強い突破からチャンスを作り、相手ゴール前に攻め込む。田村選手らがスクラムを押し込み、ダメージを与えていく。42分に相手反則を得ると、五郎丸選手がPGを選択。しっかりと決め、13-17と4点ビハインドで前半を終える。

　後半、池町選手は元気にピッチに戻るが、今度は主将の三村選手が首を痛めて退場となる。八木下選手が交代で入り、同時にポトヒエッター選手からトゥイアリイ選手に入替えを行う。

　グループA入りに執念を燃やす近鉄は猛攻を開始する。防戦一方の展開となるが、五郎丸選手のキックから地域を得ると、ヤマハFWが相手ボールのラインアウトを奪い、モールを押し込む。10分、BKが左右に展開し、ラックを作り、最後は大田尾選手からのパスを受けた大戸選手が左中間にトライを決めて18-17と逆転に成功。五郎丸選手がゴールをきっちりと決めて、20-17とする。さらに18分、五郎丸選手がゴールポスト正面のPGを決め、23-17とリードを6点差とした。

　近鉄はサモ選手やギア選手らが度々ゲインするが、山本選手や笠原選手、堀江選手らがディフェンスから相手にプレッシャーを与え、パスミスを誘発する。空中戦では八木下選手やトゥイアリイ選手らが相手ボールのラインアウトを奪うなど、近鉄のチャンスを寸断する場面が目立つ。

　依然、近鉄の攻撃が続く中、後半残り20分すぎの時間帯を迎える。ヤマハは、サウ選手からピウタウ選手に、日野選手から岸選手、田村選手から山村選手、田中選手から中園選手に入替えを行い、アグレッシブな近鉄のアタックに対抗する。

　32分、宮澤選手のビッグタックルから、ヤマハボールのスクラムを得る。連続攻撃から相手が反則し、五郎丸選手が飛距離にして約45ｍ近いPGを決める神業を見せ、26-17とリードを9点差にした。1トライ1ゴールで追いつけない得点差となり、残り時間が少ないことも手伝い、近鉄の攻撃に焦りが見えだす。

　近鉄も最後まで攻め続ける闘志を見せるも、タックルしては起き上がるヤマハのディフェンス網を破ることができず、26-17でヤマハの勝利でノーサイドとなった。この勝利により、第6節もプールB組の首位をキープ。さらに11月末からのセカンドステージにおいてプレーオフ進出を競い合うグループA組入りを確定させた。

　試合後、清宮監督は「今節、近鉄が必死のアタックで挑んでくることはわかっていた。1対１で勝ち、最後まで崩れることなくディフェンスできたのが勝因」と、タフさを増す選手たちに目を細めた。三村主将も「苦しい展開だったが、負けなかった。今季目指している出来幅の波が無いチームに近づいて来た」と胸を張る。追われる立場を経験した今節、また一段ステップを登り、ファーストステージ最終戦に立ち向かう。

※26得点中、21得点をあげた五郎丸選手。今季2度目のマンオブザマッチを受賞。