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ラグビーヘッドライン

2021年5月20日(木) 【退団選手コメント vol.9 五郎丸 歩選手】

【退団選手コメント vol.9 五郎丸 歩選手】 

◎ヤマハ発動機ジュビロでの現役生活を振り返って

私は大学1年生の時には、もうヤマハに入団することを決めていました。
1番に声をかけてくれたことと、チームの可能性を感じたからです。
大学の時は勝って当たり前の環境にいましたが、次のステップはチャンピオンになったことがないチームで自分が一緒に創り上げていく、一緒に上がっていきたいという思いがありました。
そして何年か後に、思い描いていたストーリーが現実になりました。

リーマンショックの時に強化縮小がありましたが、あの時チームに残ると決めてから、よりヤマハのことが好きになりました。あの時初めて、社会人としてのキャリアがスタートしたといっても過言ではないです。
そこから苦しい時期もありました。
入替戦を戦い、なんとか残留して、そして清宮さんが来られて、一年一年成績をあげて、悲願の日本一を獲り、そのままの勢いでワールドカップにも臨めました。
当時のヤマハは、FWが全面的に強いチームではなかったので、PGを狙う機会も多く、ゴールキックの成功率を上げていかないと勝てない試合も続きましたし、その経験や成長が後のワールドカップのキックにも繋がったと思います。
充実した現役生活でした。振り返っても、後悔はありません。

ヤマハでは何よりもチームが一つになることの大切さを学びました。
正直、ここまで仲が良いチームはないと思います。年齢も関係なく、派閥もなく、家族も含めてとにかく仲が良い。
そういうチームに所属できて本当に良かったです。


◎ヤマハ発動機ジュビロでのベストゲーム

ベストゲームはやはり2015年の日本選手権決勝のサントリー戦。優勝です。
試合前からチームの雰囲気も良く、シーズンを通して怪我人も少なく、ベストメンバーで挑み、全員が素晴らしいパフォーマンスを見せ、最高の結果を掴み取った試合です。思い描いていた以上のものがありました。 
表彰式が終わって、しばらく経ってもあれだけの人が会場に残って、あんな光景を作ることのできるチームはないと思います。磐田から10台以上のバスが出て、会社をあげて、社員の方もファンの方もみんなで優勝を味わった素晴らしい瞬間でした。

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また、ヤマハスタジアムでの思い出は、リーマンショックの年に迎えたトップリーグ2010シーズン、NECとの開幕戦です。あの試合にかける思いはかなり強かったです。
強化縮小となった時、ラグビーってこれだけの存在だったのかとすごくショックを受けると共に、自分たちが結果を残すことでやっぱりラグビーは必要だと思ってもらえるようにしたかったですし、とにかく全員が勝つことにフォーカスしました。
ラグビーで結果を残すこと、勝つことでその価値を証明することができる、そんな試合でした。

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◎最後に

ヤマハ発動機ジュビロは、いろいろなチャレンジをさせてくれる場所でした。
海外に行く時も「行ってこい」、帰ってくる時も「帰ってこい」と、チャレンジをすることに対して、いつもポジティブに背中を押してくれるチームです。
この13年間、多くの方に応援やバックアップをしていただいた恩は、次は選手とは異なる立場でしっかりチームに返していけるような選択をしていきたいと思います。

チームメイトには、これから今まで以上にもっとヤマハのチームを好きになってほしいです。
そのような姿を見て、ファンの方も温かい気持ちになり、ヤマハのことをもっと好きになる。
それがヤマハらしいと思います。
また、新リーグになりプロ化されると勝ちも求められる分、難しいこともたくさん出てくると思います。
でも原点にはずっと「ヤマハが好き」という気持ちがある。
それを忘れずにやっていってほしいです。

ファンの皆様、13年間、たくさんの温かいご声援ありがとうございました。
今シーズンだけで言うと結果が出ず、苦しいシーズンになりましたが、チームというのは、ずっと上り調子にはいかず、どこかで立ち止まることもあります。
そんな時にこそ後押ししていただければ、選手もさらに頑張りますし、そのような時こそ応援してもらえるチームであるために選手たちは頑張ってほしいです。
残念ながら、この2シーズンはコロナの影響で、ファンの方との交流の機会がほぼ無くなってしまいましたが、ヤマハではファンの方と選手たちの距離がものすごく近く、お互いが壁を作らない素晴らしい環境でプレーをすることができ、応援していただきました。
特にワールドカップ直後は、磐田にこんなに人がいるんだというくらい多くの方がグラウンドに来てくださり、選手たちのモチベーションが上がりました。ファンの方にはいつも本当に素晴らしい環境を作っていただき、感謝いたします。

周りやチームから「あと1年やってほしい」という声もありますが、トップリーグが終わるともに去るのも自分の人生のあり方。
これでラグビーから離れるわけではありませんので、選手ではないからできることに力を注いで、ラグビー界に貢献できるように、一から努力していきたいと思います。
13年間本当にありがとうございました。

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