本文へ進みます


ラグビーヘッドライン

2021年5月16日(日) 【退団選手コメント vol.6 山本 幸輝選手】

【退団選手コメント vol.6 山本 幸輝選手】 

◎ヤマハ発動機ジュビロでの現役生活を振り返って

ヤマハ発動機ジュビロには大学の時にトライアウトを受け、その時の50m走のタイムが当時監督だった清宮さんのストップウォッチで6秒5だったことや、スクラムを評価され入団しました。
そして、1年目の初日の練習で、長谷川コーチに「お前1番な」と言われ、それまで3番で結構自信を持ってやってきたのですが(笑)、そこから1番のラグビー人生がスタートしました。
光栄なことに1年目から試合に出場することができましたが、当時は学生感覚も抜けておらず、試合後のレビューでは、ほぼ毎試合、指摘され反省することばかりでした。ですが、それがもっと頑張ろうというモチベーションになりました。
ヤマハでは98試合、コンスタントに試合に出場させていただきましたが、ヤマハのスクラムは絶対負けないというプライドを誰よりも持って試合に臨んでいたことは自信を持って言えます。もちろん敵に負けない以前に、ヤマハでまず勝つことが前提です。いつも練習が試合のようでしたし、そこで勝てばチームの代表で、皆の思いを背負っているから絶対負けられない。変なスクラムは組めない。押されたら自分にチャンスはもう無くなるなる。という常に安心できない中でやってきました。
それだけスクラムにこだわりのあるチームでやってきたことも含めてヤマハでの思い出はグラウンド内外でたくさんありすぎるのですが、盛岡で東芝に勝った時は、長谷川コーチのお財布で車内販売のお酒を買い占めてしまうぐらい飲んだり、時にはこれだけ外国人選手がひしめくトップリーグで和製FWで試合に挑んで勝ったり、独特の文化の中にいたことの全てが本当に楽しかったです。
そしてヤマハでは常に応援される存在であり続けることの大切さを学びました。応援してもらう、認めてもらうためには、どんな場面でも立ち向かっていかないと仲間の信頼を得ることはできないし、そこで得た信頼や友情は一生ものです。
プレー中はもちろんのこと、グラウンド外でも本当に仲が良く、楽しいこと、苦しいことを共に乗り越えることのできる、そんな仲間に出会えたことを誇りに思います。


◎ヤマハ発動機ジュビロでのベストゲーム

思い出に残る試合はたくさんありますが、特に印象に残っている試合は今シーズンの第3節 NEC戦です。
現役生活の中で初めて開幕から2試合、出場できず悔しい思いをする中、やっとスターティングメンバーに入りました。試合前から相当気合が入っていましたが、開始から間もなく自陣ゴール前での相手ボールスクラムをターンオーバーし、その時の感覚がとてつもなく自信になりました。
そこから先の試合でスクラムを全て押せるようになったのは、あの時のあの1本のスクラムがあったからだと思っています。ゴール前5mという危機的状況の中、8人が一つになり全員が信頼して押してくれました。その仲間の信頼をターンオーバーという形にできたことは自信になり、出場できない時間の中で感じたことを全て出せた瞬間でした。

yamamoto_0516_2.jpg


◎最後に

8シーズンヤマハ発動機ジュビロでプレーさせていただき、ありがとうございました。 全てのヤマハファミリーの皆さんに感謝します。
ヤマハ発動機ジュビロは自分にとって「規律と情熱」です。規律とは悪いことをしないのではなく、一人一人が正しく自分の役割を全うするということです。自分の役割に100%で取り組みながら情熱を持って戦う場所でした。チームメイトにはヤマハのスクラムが日本一だというプライドを持って、これからもスクラムで勝ってチームとファンの方にエナジーを与えて続けてほしいです。
8シーズンにわたり温かい声援を送って下さったファンの皆様、試合会場でスクラムの時に大きな声援を送ってくれたことが自分の大きなパワーとなりました。特にヤマハスタジアムで会場がブルーに染まった光景は忘れられません。
自分はこれからも選手として常にエナジー全開でチャレンジしていきます。
本当にありがとうございました。

yamamoto_0516_3.jpg

yamamoto_0516_4.jpg

ページ
先頭へ