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Vol.6:2009年度入団の4選手

矢富勇毅選手が、磐田市で活躍する様々な方々をお迎えしてお話をするコーナーです。

矢富笑店 Vol.6:2009年度入団の4選手

岸 直弥 きし なおや (埼玉県出身:フッカー)

井本 克典 いもと かつのり(宮崎県出身:センター)

河本 明哲 かわもと あきのり(大阪府出身:フランカー)

高木 貴裕 たかき たかひろ(長崎県出身:フッカー)

社会人1年目の感想をどうぞ

矢富●今回は2009年度入団の4選手に集まってもらいました。去年の4月に入社して、いろいろあったと思うけれど、1シーズンを終えてみて、どんな感想なのかを聞いてみたいと思います。今日は宜しくお願いします。

4人●宜しくお願いします。

矢富●まずは、岸からいこうか。

高木選手(左)と岸選手(右)高木選手(左)と岸選手(右)

岸●そうですね、まず楽しかったですね。練習も楽しかったし、練習外も楽しかったです。

高木●僕も楽しかったですね。毎日、仕事をしながら、規則正しい生活を送ることができました。寮での生活は初めてだったのですが、充実した環境で、食事やウエイトルームも完備されていて、良かったです。

井本●僕は社会人として未熟な部分があり…ラグビーに関してはチームの成績も自分自身のプレーも結果は満足できるものではありませんでした。

矢富●みんな有難う。次の質問に…。

河本●ちょっと待ってくださいよ、僕は、ヤマハは日本一ええチームやと思いました。

矢富●カーボン(河本選手の愛称)・・・、俺は世界一やと思ってた(笑)。

どんな仕事をしているの?

矢富●ところで、どんな仕事をしているのか、教えて。

岸●マリンエンジン、船外機の工場にいます。生産計画や在庫管理に加え、工務の仕事を色々やっています。

矢富●ラグビーのOBの人は職場にいる?

岸●いえ、いません。僕が今までで最初のラグビー選手としての配属で。不安もありましたけれど、職場の人たちが僕を大切に扱ってくれ、ラグビーの活動にも理解もしてくださり、本当に助かっています。

高木●僕は輸出する際のチェック部門です。安全に貿易をするための部署です。英語の書類が多くて、最初は英語ばかりで具合が悪くなりそうに(笑)。

矢富●それでストレス太りしたってわけか!

高木●ハハハ、でも最近はようやく英語にも慣れ、職場の人たちにも助けられ、OBは古川さん(新一さん。現役時代は高木選手と同じフッカーのポジション)がいますので、心強いです。

井本選手(左)と河本選手(右)井本選手(左)と河本選手(右)

井本●僕はバイクに関する職場で、販売店のサポートをする部署です。でも…まだ、今ひとつバイクに興味が持てなくて(笑)。そこが先ほど言った、未熟な部分でして…

矢富●でも、やっぱり、ラグビーが強い会社として選んだわけだから、そういうのってわかるなぁ。

河本●僕は元々バイクに興味があって…すみません、免許も持っていません(笑)。真面目に話すと、僕は部品を扱う仕事をしています。扱っている部品を必要とする会社に、いつまでに納品するのかを調整する、つなぎ役が主な仕事です。

矢富●知らんかったわ。結構、真面目に仕事をしていたなんて。なるほどねぇ。

社会人になって

矢富●学生の頃って、働いていないからお金がないやん。でも社会人になったら、毎月お給料がもらえる。この一年間で何買った?

岸●僕は車ですね。大きい車が欲しかった。

矢富●そりゃそうやわ。その体で軽自動車はない(笑)。

肉弾戦に強い高木選手肉弾戦に強い高木選手

高木●僕も車ですが、社会人になって、ちょっと欲しいなぁ、と思うようなものも自分のお金で買えるようになりました。でも、一番モノを買っているのはカーボンです。

河本●いやいやいや。

井本●僕も車ですかね。

河本●井本はいいイメージのまま行こうとしていますね。僕が買ったのは…。

岸●パソコン。

高木:サーフボードも。

矢富●観葉植物…って、なんで俺らが知ってんねん(笑)。でも、やっぱり磐田だと、まずは車やね。都内だったら、車を持つ必要がないかもしれないから、時計とかにいったのかも知れないけれど。しかし、カーボンは整形までしていたとは。

河本●していません!

若手選手からの逆質問

矢富●なにか俺に聞きたいことってある?

岸●はい、僕たち4人のイメージと実際に会ってみて今の印象の違いはありますか?

矢富●最初にみんなに会ったのは、3月の測定の時ちゃう?その時に会って、俺はすぐに日本代表の合宿と遠征に行ってしまったから、次に会ったのが、8月の北海道合宿。カツ(井本選手の愛称)に関しては、イメージのまんま変わらない。帝京大学でゲームキャプテンとしてのコメントぶりや、体を張ったプレー、そのまんま。ただ…何か隠してそう(笑)。

河本●ホンマですよ、本当の井本選手はですねぇ・・・。

機動力のある河本選手機動力のある河本選手

矢富●岸は東海大でキャプテンをした人間だから、もっと発言するのかなと思っていたけれど、あんまし発言せーへんかったなぁ。でも、なんか、やんちゃな雰囲気を醸し出しているなぁと思ってたけれど、ホンマ、やんちゃな一面をもっていた。TT(ティー・ティー、高木選手の愛称)は、どうやろなぁ?ちょっとヘン子、女の子でいう不思議ちゃん?ラグビーをしていたら、ものすごい激しいプレーするのに、普段の生活になると、メッチャ優しい男になる。ちょっとヘンやわ。カーボンは・・・初めて握手した時に、ちょっとふて腐れているような目つきで握手してきよって、コイツ、ケンカ売ってんのかと(笑)。

河本●違いますよ。どうして、僕のイメージを壊すことばかり!丁寧に挨拶しましたよ!

高いリーダーシップ 岸選手高いリーダーシップ 岸選手

矢富●日本代表の遠征から戻ってきたら、ゴロー(五郎丸選手の愛称)が“河本は面白い”って言うから、期待して夏合宿に行ったら、全然おもろない(笑)関西人の先輩として、俺が助けてやらんとアカンなぁと。まぁ、でも頑張り屋さん。これは4人に言えることだけど、今年の新人選手はみんな頑張り屋。カツも足の痛みに耐えて、最後まで練習していたし、岸も最後まで諦めずにウエイトトレーニングをしっかり続けて、最後の試合でメンバー入りしたし、ホンマ、頑張ったよな。チームに良い刺激を与え続けてくれたと思う。

同期同士はどうみている?

矢富●4人はお互いにどうみているの?

高木●入社テストで井本と岸に会っていたので、知っていたのですが、カーボンと初めて会った時が思い出深いですね。

河本●この3人はテレビやラグビー雑誌に出ていたから、こっちは知っているわけですよ。でも、みんなは僕のことは知らない(笑)。

試合前の井本選手試合前の井本選手

高木●駅で待ち合わせした時に、井本に、“あれ、河本だよね?”って聞いて。

井本●体が大きいから、そんな人たくさんいないので、間違いないだろうと。

高木●それで、僕から“あの、河本くん?”って話かけて。

河本●その時に“僕、高木です、よろしく”って握手してくれて、ホンマ、エエ人や!と(笑)。その次の瞬間に井本が“ナオヤはまだ?”って高木に言うんですよ。岸じゃなくて、ナオヤって呼んでいる!もう、これは3人はガッチリ仲良しで、俺だけハミゴや!と、マジで心配になりました。

矢富●わかる、わかる。俺はその逆で、同期のみんながテレビなどで俺のことを知っていて、俺があんまり同期の選手を知らないという状況やった。ノリヤ(小林選手、フランカー)は高校日本代表がらみでしっていたけど、他は知らなかった。けど、八木下(恵介選手、フランカー)は後で判明したんやけど、あの八木下やった(笑)。

河本●その頃から印象に残る選手やったんですか?

矢富●早稲田と日体大の試合で、日体大がキックしたボールを俺がキャッチして、カウンターを仕掛けようとした。前を見たら、フィールド内で治療している選手がいた。ちょうど、その横あたりに、ディフェンスの穴があって、そこに走りこんだら、いきなり治療して横たわっていた選手がピコッ!っと起き上がってきて、思いっ切り俺のみぞおちにラリアート!俺からしたら、考えても、見えてもいないところから入ったから、何が起きたのかわからへんけれど、気が付いたら倒れていて、そのまま退場。それで、ヤマハに入って、“八木下?どこかで聞いたような…日体大卒…もしかして…”と思ったら、ああ、アイツや!(笑)。八木下も、そのことが気になっていたらしくって、最初はお互い気まずくて(笑)。今でも同期会になると、そのシーンの話で盛り上がるけれど。それから、拓也(中島選手、センター)。俺と二人きりになると、“矢富や、矢富がおる、どうしたらええねん”って感じでこわばって(笑)。今は何でも話せる間柄やけどね、最初の頃はそんな感じやったわ。

入社したての頃の4選手入社したての頃の4選手

矢富ラグビークリニック

矢富●学生の頃は、ラグビーに集中できる時期やん。けど、4年間という限られた時間しかない。だからこそ集中できた、ってない?

岸●それはありますね。

社会人3年目の矢富選手社会人3年目の矢富選手

矢富●社会人で俺もプレーして3シーズンたって、どこかで義務感というのか、ダラダラと続けている自分がいた。そんな時に、母校の中学や高校を教えに行ったりすると、時間の大切さを改めて教えてくれる。時間を大切にしないと上手くなれない、時間を大切にすれば、上手くなれる、と感じた。その時間を活かすことで、プラスアルファの力が発揮され、そうなることで、ただ練習していたことが、付加価値をつけて自分に返ってくる、そんなことを思うようになれた。

井本●時間は大切ですね。

矢富●そうは言っても社会人で3シーズンプレーして、思うようにはいっていないのだけれど、まだまだ自分の中でラグビーが上手くなれると思っている。ラグビーのためにヤマハ発動機に来たのは、俺もみんなも同じ。仕事や、社会人としての生活も大変やけど、やっぱり、みんなとラグビーできる時間はラグビーに集中して、上手くなっていきたい。だから、今日、最初にどや?って聞いた時、岸やTTがすぐに“楽しかった”と言ってくれたのがホンマ嬉しかった。楽しいからグラウンドに行きたくなるわけやし、楽しくなかったら、続けられへん。楽しいから上手くなりたいとも思うし。だから、今日は、みんなが1年間シーズンを経験して、楽しかったと言ってくれ、ホンマに良かったと思った。一年目で遠慮していたのかもしれないけれど、これからも努力を続けてほしいと思う。

高木●楽しくないと続けられないのは、本当ですね。

矢富●水泳のイアン・ソープ選手やったけっけかな?取材で、あなたは天才ですね、と言われて、“僕は努力の天才になりたい”と答えていた。野球のイチロー選手も確か、“何もせずに出来る人を天才と呼ぶならば、僕は違います。努力した人を天才と呼ぶなら、僕は天才です”と言っていた記憶がある。あれほどの人が努力をして、練習をしているのだから、俺たちは、もっとやらないと。でも、きっと努力することが楽しいことを知っているから努力が続くのだと思う。この前も弟の中学校にラグビーの練習を指導に行ったら、メチャメチャしんどい練習を終わってやで、それから、中学生たちが自然とタッチフットし始めた。遊び感覚でタッチフット、自然に努力している!と思ったね。努力を努力と思わずに、好きなことに打ち込んでいる姿を見て、彼らは上達するなぁと実感した。

対談を終えて

矢富●と、ちょっと真面目な話しをしてしまったところで、今日の矢富笑店を終了します。それでは、対談を終えて、感想を一人ずつお願いします。

岸●やっぱり…矢富さんは関西人なんだなぁと(笑)。あと、カーボンが普段と違っているのが、イラッときましたね(笑)。

高木●今日は正直、どうなるのかと心配で…。改めて矢富さんは面白い人だなぁと。僕も将来はラグビーの指導者になりたいと思っているので、今日の子供たちを楽しませて、自然に好きにさせていく話は参考になりました。

矢富●やっぱりTTはエエ人や!

河本●普段は冗談ばかりの矢富さんですが、今日は真面目な話を聞かせていただき、良かったと思いま…ス(笑)

矢富●この太鼓もち芸人!よいしょ、で人生をこじ開ける男!

河本●それから、井本がすごいイイ人キャラで今回の対談が終わってしまうのが残念です。本当は…。

井本●こうして話ができて良かったです。矢富さんはユーモアの中にも、外さない部分があって、そういうところが勉強になりました。

矢富●みんな今日は有難う。みんな、ちゃうわ、岸、TT、カツ有難う!

河本●そうくると思っていました・・・。

対談を終えて記念撮影対談を終えて記念撮影

矢富選手の独り言

楽しかったですね。普段はそれほど話す機会もないので、こうして改めて彼らがどんな仕事をしながら、ラグビーをしていたのかを知り、自分にとっても良い刺激を受けました。短い時間でしたが、濃い対談ができたのではないかと思っています。それにしても1年経つとすごい大人に!これからも彼らへの注目を宜しくお願いします。

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