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Vol.2:曽我部 佳憲選手(サントリーサンゴリアス)

矢富勇毅選手が、磐田市で活躍する様々な方々をお迎えしてお話をするコーナーです。

矢富笑店 Vol.2:曽我部 佳憲選手(サントリーサンゴリアス)

曽我部 佳憲 そがべ よしのり

1984年大分県生まれ。6歳からラグビーを始める。
啓光学園(現在は常翔啓光学園)から早稲田大学へ進学し、スタンドオフとして活躍。矢富選手と共に第42回大学選手権優勝に貢献。
現在はサントリーサンゴリアスに所属。

社会人3年目

曽我部 ● (編集者に向かって)矢富と向き合うんですか?何か変な感じやなぁ(笑)

矢富 ● ええやん! さぁ、真面目に行こか。
それではお待たせしました矢富笑店第2回目のゲストはサントリーサンゴリアスの曽我部選手です。今日は東京は溝の口にやってきました。
さて、早速ですが、お互い社会人になって3シーズン目を向かえました。慣れてきた?

曽我部 ● 正直、慣れた。
1年目は大学時代とは全てが変わり、メンタル的にやられた。すべてのプレーが社会人は上で、何も通用しなかった。今までのラグビーは何だったんだろう、と思うくらい落ち込んだ。
でも、去年はあまり深く考えずにリラックスしてプレーしていたら、試合にも出られるようになったし、コンタクトプレーでも、自信が持てるようになった。

矢富 ● 俺は、怪我が多かったので、今年になって初めて春シーズンを怪我なしで過ごすことができた。それで、やっと社会人のラグビーに慣れてきたのかなと。


「顔を見るのは久しぶり!」

社会人の自覚

矢富 ● 今日は何してた?

曽我部 ● 今日は…仕事して、練習して、急にこの話が来て(笑)。でも、矢富笑店を読んでいたから、いつかは出たいと思っていたので、嬉しい。

矢富 ● 有難う。顔を見るのは久しぶりやけど、すっかり社会人の顔つきやな。

曽我部 ● 7時前に起きて、8時に出社して、仕事をしてから練習してというサイクルができあがるまでは本当に辛かった。
一旦、リズムができると、そんなには辛くなくなったけれど、大学時代と何が一番違うかと言えば、常に誰かに見られているという意識を持って行動するようになったこと。

矢富 ● わかる。俺らも大学の時から『あっ、矢富だ! 曽我部が歩いてる!』とか言われてきたけれど、社会人になってからは、会社の看板も背負っている責任感が出てきた。

曽我部 ● 試合の移動中に、駅で飴を舐めながら歩いたことがあって…。後から会社に行くと、会社に『御社ラグビー選手の曽我部が飴を舐めながら駅構内を歩くとは行儀悪い』とお叱りの電話が入り、それからは、今もそうだけれど常に「サントリーの社員」という意識で行動するようになった。

矢富 ● 久しぶりに会ってホクロが大きくなったんちゃう?と思っていたけれど、心も大きくなったなぁ! 偉いわ!

「すっかり社会人の顔に 曽我部選手」

お互いを分析

矢富 ● 曽我部のプレーを昨シーズン見て、安定志向になったなぁと。プレーの選択が安全な方向を選んでいる。大学のころのようなギャンブルなプレーをしなくなった。

曽我部 ● 矢富の言うとおり、チームにとって安全な選択をするようになった。
トップリーグで勝つためには、当然、監督の意向に沿ったゲーム運びは必須だし、チームとしての戦術が第一なので、そういう選択になっていく。それが、自分らしさを潰しているのかなぁ、と思う時も時々あるけれど(笑)。

矢富 ● 監督やコーチに認められるためにも、その意図を汲んだプレーは必要になってくる。それが社会人や日本代表などのトップレベルに求められるものやな。

曽我部 ● 矢富も矢富のプレーをしていない。正直なところ、矢富、守りに入っているように見える。

矢富 ● それを言われると辛い(笑)。
けど、チームの決め事を優先しないと、試合に使ってもらえないし、どうしてもチーム優先になってしまう。自分でも、もっとこうすれば良かったと思うこともあるけれど、せやけど、やっぱりチームが勝たないと。
結果を求められるのがトップリーグであり、国際試合やと思う。

「偶然にも二人の携帯電話は同じ機種」

大学時代を振り返る

矢富 ● 早稲田時代は本当に楽しかったな。楽しいと思うことすら気づかずに楽しんでいた、それくらい自分自身がラグビーに集中できていた。

曽我部 ● 自分たちが中心になってチームを作れることが楽しかった。
特に4年生の時は連覇もかかっていたし、強いチームにしたいから、あれもしておきたい、これも準備しておきたいで、一日一日が、本当に早かった。今思えば、自分たちに主体性を持たせてくれた監督やコーチたちに感謝している。

矢富 ● それに、とにかく練習から見学者が多かったし、取材陣も多かったし、試合会場に行けば、すごい多くの人々が観に来てくれた。ほんま、恵まれた環境の4年間やったと思うわ。
(大学を)出て、改めて凄いチームにいたんだと、実感が残っている。

観客は選手を上達させる?

矢富 ● 観客が多いと選手は上手くなると思う?

曽我部 ● 基本的なことは変わらないと思う。対戦相手に勝つことが第一だから。
でも、やっぱり声援がある方が、自分も魅せたいというのか、場内をオッー! と沸かせたいと思ってプレーしていた。

矢富 ● 魅せたいよなぁ。

曽我部 ● 社会人になってから特に思うようになったんだけど、休日にお金を払って観に来てくれる人がいる。
その人たちのためにも、面白い試合をして、魅せたいと思うようになった。大学時代はプレーすることで必死だったので、とてもそんな余裕はなかったけれど。

矢富 ● 読者の皆様、実は目立ちたがり屋なんですよ、曽我部選手は!

曽我部 ● 普段目立たないような発言をしているけれど、本当は目立ちたがり屋(笑)。
究極を言えば、試合を観に来た子供たちが、次の日に公園で『ソガベー!』とか言いながら、ロングパスを真似している・・・。それが実現したら、もう思い残すことはない(笑)。

矢富 ● さっきも言ったけれど、ギャンブル的なプレーを大学時代はできた。魅せたいというのもあったし、リスクを背負いながらも、成功させることができた。それを社会人でもジャパンでもやりたいなぁ。俺も子供たちから真似されるようになりたい(笑)。

トップリーグを満員にするには?

矢富 ● どうすればトップリーグが満員になると思う?

曽我部 ● いや、日本選手権の決勝はすごい観客数だったから、社会人同士の対決でも満員になることは、ここ数年で実証できていると思う。

矢富 ● せやけど、リーグ戦では、やっぱり少ない。

曽我部 ● どのチームでも今は当たり前のようにやっていると思うけれど、地域の学校に行ってタグラグビーをやったり、高校生に教えたり、そうした地道な活動の積み重ねが大切だと思う。

矢富 ● 確かに。この矢富笑店はラグビー大好きな読者しか読まない。ちょっとラグビーでも観てみようかな? と思った人が読めるようになるとええんやけど。その「ちょっとラグビーでも」という人をどれだけ巻き込めるかが大切やな。

曽我部 ● OBの中村直人さん(現在は同志社大コーチ。元日本代表プロップ)が横浜支店に所属されていた時に、直人さんが中心になって横浜支社で「濱ゴリアス」というクラブチームを作ってしまった。

矢富 ● それって凄いことやなぁ! 支店でラグビーチーム!

曽我部 ● やってみたいという人もいたし、ちょっと過去にやっていた人もいたり、それなら応援に行こうという人も出てきて、波及効果は大きかった!
それに、『仕事しながら、ラグビーをやっていることが、どれだけ大変なことかがわかった』と言ってくれる人も出てきて、嬉しかった。そうした触れ合う機会をどれだけ日本のラグビー関係者が増やせるか、チーム関係なしに、ラグビーが好きな人間たちが、それぞれでラグビーに触れる機会を作っていけば、点が線になって、人気がでてくると思う。

矢富 ● そうやな。それから、ラグビーはもっともっと情報発信していかないと。

「真剣にラグビー普及を語る矢富選手」

12月19日のスタジアム「ヤマハ対サントリー」戦にむけて

矢富 ● そろそろ締めの話題に入るけれど、今年のトップリーグ、ヤマハ対サントリーはヤマハスタジアムやで。いっぱい東京からファンを連れてきてや。

曽我部 ● Jリーグの試合会場なので、とても楽しみ。

矢富 ● 第11節なので、それまでにお互い上位で対戦できたらなぁ。そしたら、いっぱいお客さんが入ってくれると思う。

曽我部 ● お互い、スタメンで試合に出られるように頑張ろう。

矢富 ● 曽我部の考えていることがわかるので、曽我部を自由にさせないディフェンスがしたい(笑)。

曽我部 ● それもそうだけど、また矢富とハーフバックスを組んで、試合をしたい。魅せるラグビーをまたやりたいなぁ(笑)。

「手を取り合い?魅せるラグビーを誓う?」

対談を終えて

曽我部と初めて会ったのは中学生の時。オール京都対オール大阪の試合です。
オール京都では僕はセンターだったのですが、急遽、スクラムハーフをやることになり、曽我部もスタンドオフで呼ばれていたのが、スクラムハーフで試合に出ることになり、いきなり対面で試合をしたのが思い出です。
今思うと、それが縁の始まりやなぁと思います。チャンスがあれば、僕ら二人でハーフバックスの指導などを高校生や中学生に行ってみたいですね。

今回の感想を s-promotions@yamaha-motor.co.jp までドシドシお願いします。

それから、対談への企画、たくさんのメールを有難うございました。今後とも何卒宜しくお願いします。

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