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ラグビーヘッドライン

2019年10月24日(木) 日野選手のフランス研修レポート7

試合後のろっかロッカールームの様子(日野選手提供) 

 現在、フランスのTop14クラブ、トゥールーズに加入中の日野選手からレポート7が届きました。本場の「ダービーマッチ」を体験した様子です。お楽しみください。
(画像:日野選手提供)

<Vol.7 TOP14 VSブリーブ戦、 VSカストル戦> 
 ポー戦の翌週はアウェイでのブリーブ戦、私はバックアップメンバーとして試合に帯同しました。
 
 試合会場にて、茨城県の茗溪学園高校からブリーブに1年間留学に来ている青山君(高校1年)と会うことができました。日本とフランスのラグビーや環境の違いについて語り合い、大いに盛り上がりました。

 彼は英語が話せますが、フランスの高校生で英語を話せる生徒が少ないようで、苦労している様子でした。さらに、授業もフランス語で受けていているとのことで、大きなチャレンジです。しかし、その体験は彼にとって一生の財産になると思います。日々大変なことはたくさんあるし、言葉の壁もあるけれど、ラグビーはできるよね、という結論になり、彼とは今後の健闘を誓いあって帰路につきました。
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 日本を飛び出し、慣れない環境でプレーすることは大変なことも多い分、ラグビーのスキルだけではなく、人間的な部分でタフになれると、この留学を通じて強く感じています。今後、彼のように日本を飛び出してチャレンジする若い選手が出てきて、日本ラグビーの新しい形を作っていってほしいと思いました。

 次節のカストル戦はホームでの試合でした。カストルとトゥールーズは距離が近いこともあって、ライバル関係にあります。いわゆる「ダービーマッチ」というやつです。カストルはトゥールーズに比べると小さな街のクラブです。ですので、カストルが育てた選手がトゥールーズに移籍する事がよくあるらしく、両者は因縁の関係の様です。両チームの選手も両サポーターもヒートアップすると聞いていたので、本場のダービーとはどういう物なのか非常に楽しみにしていました。

 試合は残念ながら今回もバックアップメンバーでした。フランス代表経験のあるチームのキャプテンHO ジュリアン・マルシャンの復帰もありチームにはピリッとした張り詰めた良い緊張感がその週の練習からありました。

 スタジアムにバスで到着すると選手入口にはいつもの黒赤のユニフォームを着たファンに加え、青のカストルユニフォームを着たファンも大勢待っていました。自然とお互いの応援合戦が始まり、大声の歌声と楽器の演奏が鳴り響きます。観客席も黒赤と青のサポーターでほぼ満員。選手たちにとっては最高の舞台が整いました。

 試合の方は序盤からスタッド・トゥールーザンが主導権を握り、主力選手が戻ってきたBKが機能して2トライを連取します。後半に迫られますが、交代出場したキャプテン、ジュリアンのチームに勢いを与えるプレーで立て続けにトライが生まれ、36-15で快勝しました。ホームゲームでのダービーマッチ勝利ということもあり、選手・ファン・スタッフ全員がハッピーになれた試合となりました。

 出場機会を手にすることができず、プレーヤーとしては苦しい日々が続きますが、必ずチャンスが来るとあきらめずに次の試合に向けてしっかりと準備をしていきたいと思います。

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