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ラグビーヘッドライン

2019年9月12日(木) 日野選手のフランス研修レポート④

2019年9月ホーム戦、日野選手撮影 

 現在、フランスのTop14クラブ、トゥールーズに加入中の日野選手からレポート4が届きました。第3節はトゥールーズのホーム初戦。日野選手はリザーブ入りし、後半20分から出場しました。
(画像:ホームゲームでの様子)

<TOP14 第3節 VSラシン92>
 今週はホームスタジアム「アーネスト・ワロン」での開幕戦。
 ここまで開幕2連敗のスタッド・トゥールーザンとしては負けられない戦い。

 自然と練習にも緊張感が漂い、イージーなハンドリングミスや連携ミスに、コーチや仲間同士から厳しい声がかかる。特に試合形式の練習では「スコア」という声がよく聞こえる。つまり、「ゴール前まで攻めたら必ずトライしろ!」という指示である。これはヤマハでもモセコーチが良く使う言葉で、やはりどの国でも「取りきる、守り切る」という事を大切にしているんだと感じた。

 トゥールーズでは、どんなに内容が悪くても全体練習はほぼ決まった時間に終わる。それだけに練習までに各自が責任をもって戦術、サイン、スキルを準備しておく必要があり、特に言葉の壁がある自分は先に情報を頭に入れておかないとミーティング中、練習中に何を言われているのか理解できない時がある。それを防ぐためにあらかじめ情報を入れておくようにしている。そのおかげで、アドバイスも受けやすい。言葉の壁を埋めるための手段として、予習をたくさんして、頭がクリアな状態を予め作っておくこと。これがこの1か月で学んだ大きなポイントだ。

 試合前日の練習はスタジアムで実施。今シーズンから芝生がハイブリッド化されて天然と人工の芝が混じった新しいグラウンドは日本の芝に似ていて非常に走りやすい印象。2年前の日本代表遠征ではトンガとの試合が行われたグラウンドで、芝の質が変わっても景色は全く変わっておらず、懐かしい記憶が蘇ってきた。(当時、ヤマハに所属したシアレ・ピウタウ選手と対戦したことを思い出す)

 試合は日曜夜の9時、チームはお昼に集合して、ホテルに移動し、夜まで過ごしてからスタジアムに向かう。警察の先導によって普段閉まっているゲートを開けてもらい、バイパスからスタジアムまでの特別な直通ルートで向かう。

 スタジアムに到着すると入り口には溢れんばかりの人が、鳴り物とお祭り騒ぎで選手を迎えてくれる。バスを降りた瞬間に応援で心が震え、これがホームの力かと鳥肌が立った。

 試合が始まる。ホームの大声援を受けて、前半を12-7とリードし、優勢に進める。後半に入ると、ヤマハ所属のリッチー・アーノルド選手がゴール前でラストパスを味方に送り17-7と突き放す。そして後半ラスト20分のところで出番が回ってきた。正直なところ、内容はあまり覚えていない。しかし、ノックオンして、そこから相手にトライされたことだけはハッキリ覚えている。

 最終的には20-17で、接戦ながらも今季初のホームゲームを勝利で飾り、この勝ちは今季初勝利となった。
 チームとしても個人としても前に1歩前進できた試合になった。厳しい試合をモノにできたのは、なんと言っても日曜の夜9時キックオフにも関わらずスタジアムに来てくれた大勢のファンたちのおかげだと実感。観客から「タケシ」、「イノ(ヒノと呼んでもらえない!)」、と声をかけてもらい、チームの一員として迎えられた気がして感動した。

 試合後はファンクラブ会員やスポンサー向けにレセプションが開催され、すでに深夜零時をまわり、月曜日になっていったが、たくさんのファンやスポンサーが会場に集合。フランスの良い所は試合後にお客さんがすぐに帰らずみんなお酒を飲みながら楽しく喋っているところ。日本でも試合後にお客さんを残ってもらえるような仕掛けやファンと選手が交流できる環境を作っていく必要があると思った。

 会場には各テーブルに選手が2人ずつ割り振られており、そこで一緒にお酒を飲みながらファンと喋ったり写真を撮ったりとリラックスした雰囲気。レセプションと別の会場ではバーカウンターがあり、お酒の販売もあり、そこではDJが音楽をかけてダンスクラブ化する。入場自由ということもあり、深夜2時まで若者を中心に盛り上がっていた。このように試合前から試合後までスタジアムで過ごす時間が圧倒的に長く老若男女楽しむのがフランスラグビー文化なのだと学び、スタッド・トゥールーザンというクラブが大好きになった1日となった。

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「熱烈なファンたち」

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「試合後のスタジアムのバー」

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