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清宮監督インタビュー

清宮克幸監督に、監督就任初年度の2011-2012年シーズンを総括してもらいました。

清宮監督インタビュー

就任前から、ヤマハ発動機ジュビロの「熱さ」を感じていた清宮監督。チームの戦績向上だけでなく、地域全体でのラグビーの盛り上がりを目指して活動を開始した2011-2012年シーズンを、総括してもらいました。

2011-2012シーズン始動

‐‐ 就任1年目のシーズンが終りました。

清宮 ● まず何よりも伝えたいのは、今年度のヤマハスタジアムに集まってくれた方々に心から有難うございましたという感謝の気持ちです。我々はピッチ上でのラグビーを頑張り、来場された人々はスタジアムの熱気を作る、そのお互いの協力関係があったからこそ、開幕戦や最終節のような素晴らしい環境が生まれました。スタジアムが盛り上がる雰囲気を醸成するには、我々だけでは出来ません。応援に駆けつけてくださった皆様と素晴らしい関係を築けたと思っています。この関係は財産です。

‐‐ 監督就任直後に東日本大震災が起き、そのタイミングからの船出でした。

清宮 ● 多くのスポーツ関係者が「日本がこんな大変な時に自分がスポーツをしている場合なのか?」と自問されていたと思います。私自身も、地震被害が直接的ではなかった磐田市にやってきて、ラグビーの準備をしていて本当に良いのだろうかと考えることもありました。しかし、今の自分にできることは、目の前のことに力を発揮することだろうと。ラグビーを通じた支援を模索し、それが昨年6月の釜石シーウェイブスとの復興祈念試合につながりました。釜石とは今後も練習試合を組むなどして、長く付き合っていきたいと考えています。

開幕戦では1万人近いファンが
スタジアムにつめかけた

‐‐ そして迎えたシーズン。ヤマハスタジアムに約1万人近い来場者が集まりました。

清宮 ● 当初、目標としていたスタジアム満杯には届きませんでしたが、開幕節で最も来場者が多かったことは首都圏のメディアやラグビー協会内で話題になっていたそうです。それだけでも十分に静岡県のラグビー熱は全国のどこよりも熱いんだ!ということを全国のラグビーファンに示せたのではないかと思っています。先ほど言ったことの繰り返しになりますが、ラグビーの熱さを持っているファンがいることは、この地域にとっても、我々にとっても、日本ラグビーにとっても何よりの財産です。

‐‐ その財産を維持しつづけることが2019年のラグビーワールドカップ日本開催の盛り上がりにも繋がりますね。

清宮 ● 間違いないでしょう。今の時点で、全国で最もラグビー熱がある地域なのですから、もし、静岡県内でワールドカップの試合が開催されたならば、どんなカードでも満員になりますね。そのためにも我々が常にヤマハスタジアムでエキサイティングなラグビーを見せ続け、トップリーグ上位にいなければならない。いわば使命ですね。

会心の勝利を飾った開幕戦

‐‐ スタジアム満杯プロジェクト、そのビジョンは描いたとおりでしたか?

清宮 ● 「スタジアムを満杯にするんだ」と口にしてきたことについては、ある程度の土台づくりはできたかなと。しかし、改めて思うのは、満杯にするにはやはりチームが勝つこと。勝ち続けることで、ファンが集まり、ホームで勝つことで地域をさらに元気にすることができる。開幕戦での勝利はこれ以上ない会心のスタートとなりました。

‐‐ もっとこうすれば満杯になったのに、と思うことは?

清宮 ● 一番は勝つこと。その次にヤマハスタジアムでの試合は土曜日が多く、日曜日に開催していれば、もう4,5千人は来場できたのではないかと想像しています。こちらに来て初めてわかったのですが、遠州地域は土曜日も働いている人が多く、お店を経営する人など日曜日だけが休みの人が多い。「清宮さん、日曜日だったら行けたのに」と、あちこちで言われました(笑)。来年度のヤマハスタジアムでの日程がどうなるか分かりませんが、できるだけ日曜日に試合が行われるといいなと思います。

柳社長と固い握手
 - 監督就任会見にて -

‐‐ ヤマハ発動機ジュビロとして初めてファンクラブが設立されました。

清宮 ● 会社や関係会社の協力体制があり、地域の人々がヤマハラグビーを応援してくれている下地があり、ファンクラブの設立は当然の流れでしょう。お金を支払ってラグビーを見に来るだけという受身型のファンクラブではなく、スタジアムの盛り上げは自分たちが担っているんだという参加型の何かができるといいですね。例えば、今年のブルーキャンペーンのような、バックスタンド全体をブルー一色に染めることに参加する。それによって自分たちもスタジアムを彩ることに一役かっている自負が生まれる。選手と会員がお互いに良い関係を築きあげ、スタジアムの環境や雰囲気をよくしていってほしいですね。

‐‐ コミュニティーとの近さは、かえってプレッシャーにはなりませんか?

清宮 ● 全然(笑)。会社も市民もみんな近い。その近さは地方の強みですよ。特に静岡県内の報道各社との近さ、これも財産ですよね。以前に講演会で話題にしましたが、小学生のスポーツから、高校生の様々な大会、Jリーグチームやバレー、バスケ、ラグビーなどの社会人スポーツに至るまで、本当によく取り上げてくれる。県勢のスポーツをこれだけ取り上げる地域は静岡が一番ですよ。静岡はスポーツ県ですね。

‐‐ 最後に来季に向けてファンへメッセージをお願いします。

清宮 ● 今シーズンの応援、誠に有難うございました。トップリーグ8位、日本選手権1回戦敗退という結果に終り、決して満足のいくシーズンではありませんでした。それでもトップリーグにおいて総得点では4位、総失点が東芝に次いで2番目に少なく、さらに五郎丸選手が個人タイトルを3つも獲得するなど、確実にレベルアップした年となりました。来年は今季に感じた上位チームとの差を埋めるべく、チーム一丸となって階段をさらに登っていきたいと思います。来季はさらに熱い試合をお見せしますので、皆様と共に日本で最も熱いスタジアムを作っていきたいと願っています。来季も応援、宜しくお願いします。

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