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特別企画「Break Through」

自らの殻を自らが打ち破ることを誓い合った、津高宏行選手、越村一隆選手、西直紀選手のクロストーク。

特別企画「Break Through」

津高宏行選手(4年目)、越村一隆選手(3年目)、西直紀選手(2年目)が集まり、自らの殻を自らが打ち破ることを誓い合いました。ニューヤマハの原動力となれるか。今シーズンの活躍に期待をこめてBreak Through Interview。

—— まずは越村選手から、昨シーズンの振り返りを

越村 ●昨シーズンはスタンドオフとして2年目。成長した部分はメンタル面。シーズン後半に大西将太郎選手(今季より近鉄へ移籍)と一緒にプレーしたことで、気持ちの大切さを教わりました。プレー自体はまだまだ。ゲームの組み立て方や人の使い方は今も勉強中です。

—— 外から見ると、津高選手はいじられキャラのイメージです

津高 ●そこは引き続きどんどん成長しています(笑)。そうではなくラグビーですよ!成長したのは、周りが見えて少し落ち着いたこと。ゲーム中も心にゆとりが持てるようになってきたと思います。1年目、2年目は自分のことに精一杯で、周りの選手を使ったり、言葉をかけることがあまりできませんでした。

—— 西選手は新人選手としての1年。成長した点は

西 ●僕は体作りです。大学から社会人になった昨年は力やコンタクトの違いに対応するため、体重を94キロから102〜3キロまで増やしたことで、少しずつ慣れてきました。ここは成長したと思います。

津高選手、越村選手、西選手

—— 津高選手、越村選手も、1年目にコンタクトの差を感じましたか

越村 ●すごく感じました。僕は、85〜6キロぐらいの体重が、78キロまで落ちました。練習や精神面が体に影響を及ぼしたのかもしれません。でも、こうなるとあたり負けするんですよ。社会人は、スピードや体重があるのは当たり前、強靭な肉体が必要になってきます。そうでなければ自分自身がけがをします。2年目にそう思い、目標値をチームから与えられ、うまくいったことで、今は88キロ台をキープしています。体も慣れてちょうどいい感じです。

津高 ●入団した時、体が小さくても強いし、社会人は違うなと感じ、自分はまだまだと思いました。ちなみに、僕のベスト体重は79キロから80キロ。今、ちょっと太り気味なので少し絞らなければ。1キロ、2キロ違うだけで走れなくなりますから。

—— では、春シーズンの目標をお願いします

越村 ●同じスタンドオフのポジションだった大西将太郎選手が近鉄へ移籍し、個人的にはすごく寂しい。でも逆にチャンスを与えられたのかなと。今、大田尾選手が日本代表で遠征中。スタンドオフは手薄な状態、その中で自分はどうアピールできるか。ここは常に意識しています。

—— シューラー監督は、『スタンドオフは、越村がいるから大丈夫』と話していました

越村 ●そういうことを言われるだけで嬉しくなるぐらい、僕は単純な人間です。逆に、期待に応えなければという思いが沸いてきますね。

—— 今年で3年目の越村選手は、入団時と比べ表情や雰囲気が明るくなった印象です

越村 ●僕、人見知りなんです。常に最初はビクビクしながら生きています。初めての人は、本当にしゃべれません。

津高 ●そういえば、最初は暗かったよな(笑)。

越村 ●自分でも去年から変わったと思います。冨岡さん(今季よりNTTドコモレッドハリケーンズへ移籍)や大西さんと話すようになって、エネルギーをすごく貰いました。岡さんは今でも良くしてくれる。人との繋がりは僕にとっての宝物で、みんなには感謝しています。

津高 ●越村は2年目からすごく溶け込んできたのを、近くで見ていても感じます。練習中もそうだし、チームにいい刺激を与えている。

—— では、津高選手の春の目標は

津高 ●もちろん、試合に出ること。あと、春シーズンはミスを恐れず、自分なりに思いきりやろうという気持ちがあります。それは、去年まで、自分が納得のいく内容でなかったし、周りを気にしすぎて、自分のことすらできなかった。だから、思いきりやることで、何かが見つかり、道が開けるかもしれない。そういう心がけで臨みたいと思っています。

—— 津高選手は、バックスならどこでもできる印象があります

津高 ●足はそんな速くありませんけど、ヤマハではウィングやスクラムハーフもやりました。大学でスタンドオフ、センターをやったので、ポジションが何であろうと、プレーに迷いはありません。メインシーズンに、けが人が出て誰もいなくなった時、自分の器用さを活かしたいですけど、春はフルバックで頑張ります。

—— 足が速くないと言われましたが、グラウンドでのフィットネスメニューは、先頭を走っています

津高選手

津高 ●僕が頑張ることで、誰かがついてきてくれれば。それを見て他の選手がついてくる相乗効果を期待しつつ。少しでもチームを引っ張る力になれば、という思いです。


—— 西選手の目標は

西 ●思い切っていくことです。体重を増やし、それでいて走れるように。気持ちをもっと強くしたい。ロックで、去年で引退した澤田さんのプレーが本当に激しく、すごく影響を受けました。だから、澤田さんのように、気持ちを感じる選手になれたらいいなと。1年目の選手はバディシステムといって、先輩選手が1人ついて、いろいろと生活面の相談から部内のルールなど教えてくれるシステムがあります。澤田さんが僕の指導担当でした。部歌を覚えたり、一緒に行動したりするのですが、その時にいろいろなことを教えていただきました。澤田さんの部歌は、もう最高でした。

越村 ●僕らからすれば澤田さんはヤマハの兄貴です。

津高 ●澤田さんは、体を張ったプレーで、バックスにも影響を与えてくれました。感謝しています。

—— 今シーズン、監督が変わったことでチームの雰囲気はどうでしょうか

越村 ●一番変わったのは、チームの平均年齢がすごく若くなったこと。こうなると、1年目・2年目・3年目の選手らが、もっとチームを盛り上げていかなければ。若いから声も出るだろうし、フィットネスにしてもそう。でも、今の状態では足りない、もっと盛り上げていかなければ。そうしないと、引退された方々に申し訳ない。個人的にはそう思っています。

津高 ●ハーブ(シューラー監督の愛称)が来たことで、空気が引き締まるというか、集中した雰囲気です。

越村 ●よく高木さんが言っているのが、「ケビン・シューラー」ではなく、「ケビン・シュラ」。シュラは、修羅場の修羅です。

津高 ●アドバイザーをやっていた時から、グラウンドに来るとみんなの意識がギュッと高まるというか、集中力が上がり、いい練習ができていた。今はずっといるので、ずっと引き締まっています。

越村 ●練習時間の長さを感じないですね。

津高 ●僕らのことをすごく考えてくれている。だから信頼できる。だから応えようと思います。

西 ●僕も、そう思います。

津高 越村 ●それだけかよ(笑)

西 ●フォワード練習では、気軽に声をかけてくれるし、いいところ、悪いところを言ってくれる。気持ちが引き締まります。

—— 今のポジションに対するこだわりはありますか

津高 ●さほどありませんが今、フルバックに日本代表選手が2人います。日本代表だからといって、もちろん負けたくありません。2人よりうまくなりたいし、フルバックで出場したい気持ちはものすごく持っています。フルバックの魅力は、ライン参加やキック。ディフェンス最後の砦で、チームを一番後ろから見て、指示ができるのも魅力のひとつです。

越村選手

越村 ●スタンドオフは、大田尾さんみたいにフォワードとバックスをうまく繋げることができれば楽しいだろうし、見ていても面白さを感じるポジション。大田尾さんにライバルと思われるように今は、一日、一日を全力で頑張りたい。あと、大西将太郎さんから学んだラグビーに一番大切もの、気持ち。そこでは絶対に負けない。最初にスタンドオフと言われた時は、自分の中では極力、やりたくないポジションだったので、びっくりしました。今では、すごく楽しいポジション。難しいという前提はありますけど。

西 ●僕はずっとロックです。

越村 ●この身長に育ったからな。


—— 身長が有利なバスケットやバレーボールなどの選択肢はありませんでしたか

西 ●小学校は、剣道と水泳をやっていました。中学校で男がやれるスポーツは、剣道と野球と卓球。流れ的に中学は剣道を。高校はもう、剣道をあまりやりたくないと思って、他にやれるスポーツがあるかなという時に、声をかけていただきラグビーを始めました。で、ラグビーに決まってから、バスケットやバレーボールから声がかかりました。

津高 ●ラグビーにだまされたな。

西 ●でも、ラグビーはとても面白く、やってよかったと思います。高校は最初、ナンバーエイトをやっていましたが、使い物にならなくて、ロックへいけと言われ、それからはロック一筋。他にやってみたいポジションはロック。僕はロックしかできません。

越村 ●僕は足が遅いので、ウィングをやってみたい。

津高 ●それ、逆では?

越村 ●違う、違う。足が遅いからウィングにあこがれるんだよ。

津高 ●なるほど。そういう考え方ね。僕は、どこやろな。フランカーをやってみたい。かっこいい。花形というより、タックルしてボール奪って、仕事人のイメージがある。

—— 入団時、先輩の津高選手から見た、越村選手、西選手の印象は

津高 ●越村、西と、入ってきた時はどちらも大人しかったイメージ。でも今はいじってくるし、先輩どうこうというのはあまりなくて。これはヤマハのいいところ。西に対しては会うと、必ず『西っ!』と声をかけます。そうすると西が、

西 ●『はいっ!』(3人大爆笑)

津高 ●僕らにしか、わからない会話というか。朝の風呂でも、『西っ!』。

西 ●『はいっ!』

津高 ●こんな感じです。西は人見知りですが慣れれば、普通に話せます。

—— 越村選手から見た津高選手、西選手は

越村 ●津高さんは、本当に優しい。どんな人に対しても。色々なことを教えてくれ、頼れる人。西は同じ寮生だけど、改まっての印象を聞かれると...そうそう、漫画を貸してくれます。見た感じおっとりしてそうですが、ラグビーになると熱い。普段の西を見ているだけに、変わりぶりはいい刺激になります。

津高 ●漫画とお菓子が大好きな西です。

越村 ●漫画・ゲーム・お菓子、漫画・ゲーム、お菓子の繰り返しだよな、西は(笑)。

—— では西選手からみた2人の先輩は

西 ●津高さんは、おもしろいです。先輩と一緒に行動する野中(佐賀工業高時代は西選手が3年生の時に野中選手が1年生)を見たことがなかったので、野中が楽しそうにしている様子から、津高さんは人を変える力があると思いました。

津高 ●野中は多分、僕以外はあまりしゃべらないと思います。

西 ● 越村さんは、優しく声をかけてくれる、とてもいい先輩です。

津高 越村 ● その答えは無難だよな(笑)。

—— 同期の活躍から受ける刺激は

津高 ● 同期(加藤・松下・三角選手)はみんな、チームになくてはならない選手として活躍しているので、僕も負けられない、というか、良い刺激を与えてもらっている。頑張らないかん、という思いで日々の練習に取り組めています。もちろん、悔しさは絶対に忘れてはいけない。とにかく今シーズンは、ポジションを確保したいです。

越村 ● 同期(笠原、八木下、小林、デーリック、矢富、中島、徐選手)の中で、ジャージを着ていないのは僕だけ。悔しさはすごくあります。でもそこで負けるつもりはないし、今年こそはという強い気持ちです。

西選手

西 ● 同期(中園、五郎丸選手)はふたりとも試合に出ているので、悔しい思いはあります。ポジション内の競争も、ロックはローリー、石神さん、笠原さんとすごい選手ばかり。僕も負けられない気持ちでレギュラーを取りたいと思います。


同期の話に、それぞれの表情に一瞬、厳しさと悔しさ、そして負けず嫌いが浮かんだように見えました。普段はおっとり系でも、勝負の世界ともなれば一変。15のレギュラーポジションを掴むべく、選手らは日々、練習を積み重ねています。

—— オープン戦の見所を教えてください

津高 ● 個人的には試合に出場し活躍したい。チームとしては、フォワードとバックスが一体となったシステムを今やっているので、全員が前に出るような試合になると思います。そのあたりを見ながら応援していただければ。

越村 ● 目標は全勝。もちろん、全勝することを頭において今、練習をしていますので、いい結果が出ると思います。個人的には1年目、オープン戦でのコンバージョンキックが奇跡的に100%成功だったので、それをもう一度目指し、1戦、1戦を大切に戦っていきたいです。

西 ● みんなで練習をやってきて、どんどんまとまりが出てきたし、気持ちも上がっているので、全勝でいけると思います。僕の持ち味はラインアウト。去年のラインアウト獲得率の上を行くよう、100%になるよう、フォワード一丸で、頑張っていきたいです。

—— ファンへのメッセージをお願いします

津高 ● 4年目なので、そろそろ試合で活躍し、チームに貢献できるよう、今年も後ろからしっかりと追いかけ、声を出し、体を張って頑張りたいと思います。ファンの皆様にも是非、会場に足を運んでいただきたいです。

越村 ● 今年こそは、ヤマハスタジアムやメンバーに選ばれた試合でジャージを着てプレーしたい、という思いが一番あります。良い結果を残せるよう、今をこれからを頑張っていきますので、応援よろしくお願いします。

西 ● 今年はジャージを着て、絶対にレギュラーで試合に出たい。皆さんの声援が力になりますので、応援よろしくお願いします。

津高選手、越村選手、西選手

インタビュー:清水良枝

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