2014-2015トップリーグ1stステージ 第7節

前半のリードを守りきり、東芝から勝利

　ファーストステージ首位通過を狙うヤマハは、最終節に首位の東芝との対戦となり、高い緊張感を保ちながら大阪入りした。両チームのスタンドオフには、ヤマハは大田尾選手、東芝は廣瀬選手と、同学年でもある経験豊富な二人が司令塔に名前を連ね、トップリーグの名にふさわしい好ゲームが期待される中、午後2時に東芝のキックオフから試合開始となった。

　開始2分、東芝は連続攻撃からヤマハの反則を誘い、第6節まで得点ランキング1位の小川選手が先制PGを決める。

　ヤマハは5分に、宮澤選手のキックしたボールをトゥイアリイ選手が追いかけ、東芝選手がトゥイアリイ選手のコースを妨害。反則を得て、五郎丸選手がPGを決め、3-3の同点とする。11分にも五郎丸選手がPGを決め、6-3と逆転に成功する。

　15分、再び東芝がヤマハ陣にて連続攻撃を続け、ヤマハが反則。小川選手がPGを決め、6-6と同点に。

　東芝の廣瀬選手が蹴ったボールをトゥイアリイ選手がチャージする。転がるボールを追いかけるトゥイアリイ選手を東芝選手が妨害し、反則。五郎丸選手が3つ目のPGを成功させ、9-6とする。さらに29分、東芝がスクラムで反則、五郎丸選手がPGを決め、12-6とリードを広げる。

　東芝は日本代表主将のリーチ選手を中心に激しい突進からヤマハ陣に攻め入るが、ヤマハは日野選手のカバーディフェンスや、宮澤選手の早いプレッシャーで対抗する。しかし、32分に東芝がPGを決め、12-9となり、PGでの手堅い試合展開が続く。

　ヤマハはラインアウトから展開し、大田尾選手がキック。そのボールは相手選手にチャージされるが、戻されたボールが五郎丸選手の胸に収まり、五郎丸選手が真っすぐに突進する。ラックから展開し、三村主将、大戸選手がつなぎ、最後はハビリ選手が左中間に飛び込みトライ。五郎丸選手がゴールを決め、19-9で前半を終える。

　後半は大田尾選手のキックオフから試合が再開される。直後にヤマハボールでのスクラムに。これが今試合での5回目のスクラムとなったが、それまでの4回はすべてスクラムで双方のFWが反則がとられ、5回目にして初めてスクラムからボールが展開された。大田尾選手のキックしたボールをハビリ選手がキャッチし、サウ選手、宮澤選手の手に渡り、一気に東芝陣に攻め込む。日野選手がライン際を快走し、チャンスを作るが、東芝の激しいディフェンスと突き破れず、追加点を得られない。

　13分、東芝はラインアウトから展開し、細かいパスを繋ぎ、ウィングの大島選手が左隅にトライ。ゴールは成功せず、19-14とリードは5点差となる。

　この直後にハビリ選手から中園選手に入替え、23分には田村選手から、この試合が公式戦出場150試合目となった山村選手が登場する。ヤマハ陣での試合が続くが、「中園選手のビッグタックルが光った」（清宮監督談）や、池町選手と大戸選手の突破など、随所でピンチを脱出し、東芝の猛攻を防ぐ。

　27分、ヤマハは東芝陣に攻め入ると、スクラムを得る。8人の固いパックで押しこむと、相手が反則。フリーキックとなるが、三村主将は迷わずスクラムを選択する。その後、両チームのFWがスクラムで激しく組合い、6回目のスクラムの組み直しとなる。しかし、ここで痛恨の反則を取られ、追加点を得る機会を失ってしまった。

　残り時間5分、リードは5点。池町選手から矢富選手に入替え、さらに笠原選手やピウタウ選手らもピッチに登場し、攻撃力を増加させる布陣で挑む。しかし、逆転を狙う東芝はベイツ選手やステイン選手などパワフルなランナーを走らせ、ヤマハ陣にじりじりと攻め込む。ヤマハはタックルに次ぐタックルで耐える時間帯が続く。

　東芝はラストチャンスに賭け、キックでヤマハのインゴールにボールを転がす。日本代表に復帰した矢富選手が素早く戻り、ドロップアウトに。そこで40分の試合終了のホーンが鳴る。タッチに蹴りだせば試合終了の場面だが、「7点差で勝ちたかった」（三村主将）は、大胆にもドロップアウトから攻撃を展開する。

　東芝も執念のディフェンスを見せ、隙が見られない。数回のラック後、五郎丸選手が勝ち点を得る選択をし、ボールをタッチラインの外に蹴りだして、試合を終了させた。

　19-14で勝利し、ファーストステージ7試合を4勝2敗1引き分けの成績とした。総勝ち点は25となり、上位のパナソニック、東芝の総勝ち点を越えられず、プールA組3位が確定。セカンドステージは2季連続でプレーオフ進出をかけて競うグループA組入りとなり、悲願のリーグ制覇に向かって再び走りだす。

※キックオフのボールをキャッチするクリシュナン選手