2013-2014年度トップリーグ 1stステージ 第3節

「ホーム初戦、土壇場で同点に持ち込む」

　ファーストステージ唯一のヤマハスタジアム開催はトップリーグの強豪パナソニックワイルドナイツ（以下、パナ）を5シーズンぶりに迎えてのナイターゲームとなった。この試合にてパナの若松選手がトップリーグ通算100試合の出場を達成した。

　パナのキックオフで試合が開始。直後から双方が激しくぶつかり合う肉弾戦となり、集まった約6,500名の観客が最初から息を飲む展開となった。パナは日本代表のバツベイ選手やコリニアシ選手を中心に突進を繰り返し、ヤマハは大戸選手と笠原選手の両ロックがまっすぐに立ち向かっていく真っ向勝負が繰り広げられた。

　最初の得点は、前半25分。パナの反則から五郎丸選手がペナルティーゴール（以下、PG）を決めて3-0と先制した。その後もヤマハがボールを保持し、36分に再び五郎丸選手がPGを成功させて6-0とした。しかし、すぐにパナも田邉選手がPGを決め、6-3で前半を終える。

　後半早々にヤマハがパナ陣に攻め入る。しかし、ヤマハボールのスクラムをパナFWが押し返したことをきっかけに、流れがパナに傾き始める。キックでエリアを奪うと、パナFWがヤマハゴールめがけて猛ラッシュ。13分、ついにパナFWに押し込まれてトライを許し、野口選手の右端からのゴールも決まり6-10と逆転される。

　20分、パナのスタンドオフ野口選手がPGを決めて6-13と7点差となる。その後もパナFWが力強い突進でヤマハ陣に攻め込み、有利に試合を運んでいく。

　ヤマハベンチは32分に岸選手と八木下選手をFWに投入し、BKにピウタウ選手を送り込む。「攻め続けられていたが、まだ流れがヤマハに戻るチャンスが1回くらいは来ると思っていた」と清宮監督。その期待にこたえ、ピウタウ選手が自陣からボールを持って走り、徐選手にボールが渡り、一気にパナ陣へと地域を戻す。そして37分、ヤマFWはパナ陣でのラインアウトからボールを奪うと8人で押し込む。最後は堀江選手が力強く突進、パナのインゴールに飛び込んでトライを上げる。五郎丸選手が右中間からのゴールを鮮やかに決め、13-13と土壇場で同点に追いついた。

　残り2分、前節に続く大逆転劇となるか、スタジアムが異様なムードに包まれていく。相手反則を得て、すぐに五郎丸選手がロングキックで再びパナ陣に入り込む。ヤマハボールのラインアウト、スローイングされたボールは相手選手がカットするも、弾かれたボールがヤマハ選手側に転がりこむ。チャンスが続くのかと6,500人の目がボールの行方を見守る。しかし、無情にもボールはタッチラインの外に転がり、そこでノーサイドの笛。80分間、目が離せない激しいバトルは一旦、13-13の同点で幕引きとなった。

　ヤマハは開幕から無敗をキープ。戦国模様のプールB戦、ひとまず勝ち点を11と伸ばし、9月末の第4節対コカ･コーラ戦に備える。

大田尾選手
「一人一人が強いパナソニックに対して、ヤマハは組織で対抗できたと思います。まだパナソニックのフィジカルの強さに対して、圧倒できる力までは到達していないことがわかりましたが、その分だけ、我々がまだまだ成長できるということ。大戸選手など若手たちが十分にトップリーグ上位のチームに対しても戦える力をつけてきているので、次回の対戦が楽しみです。」

※画像、中央の堀江選手がマンオブザマッチを受賞。（撮影：久保暁生）