トップリーグ最終節は日本ラグビーの聖地、東京・秩父宮ラグビー場。順位が確定する最終節であり、第2試合がトップリーグ首位決定戦となる試合の影響も手伝い、朝から秩父宮ラグビー場の入場ゲートは長蛇の列が見られるほどの盛況ぶりを見せた。
ヤマハ発動機ジュビロは6位のポジションを、NECは入替戦回避となる10位を狙っての最終節。過去6戦の両者の対戦成績はヤマハの1勝4敗1引き分けと、ヤマハが苦手とする対戦相手である。また過去6戦の平均得点差は6点と、毎試合とも大接戦となる相手でもある。
新年最初の試合とあり、ヤマハ選手のコンディションは非常に良く、年末に体調不良を訴えていた矢富選手や石神選手らも元気な姿で聖地のピッチに登場した。大田尾選手は早稲田大学時代に慣れ親しんだ秩父宮ラグビー場を見て「ここでプレーできるのは選手として本当に幸せです」と目を輝かせていた。
正午にヤマハボールでキックオフ。NECがモールを押し込こむと、キックオフからわずか1分26秒でいとも簡単にヤマハのインゴールを陥れた。山村主将は「練習の時から、最初の10分が大事だと言い続けてきたが、逆に取られ、痛いトライだった」と、試合後に敗因の一つにあげた。
前半にダンカン選手の突進や、レヴィ選手の突破などでNEC陣に攻め込むシーンもあったが、NECのラトゥ選手の好ディフェンスに阻まれる。ディフェンスからチャンスを得たNECはロビンス選手の好判断から2トライを追加し、0-19とヤマハを無得点に抑えたまま前半を終える。
後半も最初に得点をあげたのはNEC。松尾選手がPGを落ち着いて決め、点差を広げる。トップリーグ6位を得るためには勝ち点が1つでも欲しいヤマハは果敢にアタックを続ける。後半13分にウイングの辻井選手がこの日ヤマハの初得点となるトライを決めた。五郎丸選手のゴールも決まり、流れを呼ぶ。続けて18分にはウイングの中園選手が五郎丸選手からのパスを受けて右隅にトライ。10-22に詰め寄り、もう1トライという雰囲気が会場全体を包み込む。
その後も、ヤマハ選手がボールを保持しながら、NECゴールに迫るが、後半26分にNECが一瞬の隙をついた。自陣からウイングの窪田選手がタッチライン際を迷わずに走り抜ける。五郎丸選手が追いついてタックルするが、最後はしっかりとサポートした権丈選手にボールが渡り、勝負を決めた。
後半36分に中園選手が執念のトライを決め、五郎丸選手がゴールを成功させるが時すでに遅し、17-29でノーサイド。4連敗と後味の悪い形で2009-2010のリーグ戦を終えた。試合後、シューラー監督は「何度もチャンスはあったが、得点に結びつけられなかったのが残念。ラックで良いボールを出したかったが、相手選手をどかすことが徹底できず、ボールを出すのに時間がかかってしまった」と記者会見で肩を落としたが、「まだまだ修整できる。選手たちは最後まであきらめずにプレーしている。日本選手権に向けてチャレンジしていきたい」と、最後は顔を上げ、日本選手権に視線を向けた。