青空が広がるヤマハスタジアム。気温は7度。そこに遠州の空っ風が加わり、冬の到来を感じさせる中、第11節「ヤマハ発動機ジュビロ対サントリーサンゴリアス」戦の当日を迎えた。朝からファン交流会の整理券を求める人々や、タグラグビー交流会に参加する面々、ボールボーイの静岡ラグビースクール生やチアリーディングのジュビーズなど、続々と様々な人々が会場に姿を見せ、キックオフの午後1時に向けて熱気は高まっていった。
絶好のラグビー日和の中、キックオフ。ところが・・・開始50秒、ラインアウトのボールをサントリー竹本選手が奪い、日本代表としても活躍するニュージーランド出身のニコラス選手にボールが渡ると、いともた易くトライ。瞬間の出来事に、歓声とため息が混じる波乱の幕開けとなった。
防戦一方になるかと思われた流れを食い止めたのは五郎丸選手。ハーフウェイラインから2本のPGを成功させ、流れをヤマハに呼び戻す。6-5と逆転し、「ヤマハとは毎年1点差の接戦が続くので、今日もそうなるのかと思った」(サントリー佐々木主将)と、好ゲームにもつれ込むことを両チーム選手も感じていた。
しかし、グレーガン選手とピシ選手をゲームメーカーの主軸に置いた布陣のサントリーは、日本人選手のみのサントリーFWを前に出し、BKはニコラス選手、平選手、小野澤選手と日本代表クラスにフィニッシュさせる。前半だけで3トライ奪う猛攻を見せ、完全に試合を支配した。
後半に入っても「ラインアウトなど、セットプレーでサントリーのプレッシャーを受けて、良いアタックが出来なかった」と、シューラー監督の言葉どおり、ヤマハは効果的な攻撃を仕掛けられず、逆にサントリーに、後半4分に、この日4つ目のトライを奪われてしまう。
この状況を打開すべく、後半16分にFWの八木下選手と、サントリー戦に強いBKのマッコイド選手がピッチイン。この交代が功を奏し、後半21分にトィイアリイ選手の技ありパスから、八木下選手がトライを決め、五郎丸選手のゴールも成功し、13-27に詰め寄る。もう1トライをヤマハが奪えば、サントリーの背中を捕らえることできる。矢富選手や五郎丸選手が果敢にサントリーディフェンスからの突破を試みる。
しかし、後半25分に五郎丸選手がサントリーゴール10mまで近寄るも、そのボールをサントリーのプロップ金井選手に奪われ、長友選手にボールが渡ると、80mを余裕のランニングで走りきるトライが生まれた。110キロの体重を擁する金井選手の戻り、そして長友選手へ渡るパスは、わずかに2つ。ヤマハ選手のサポートの遅さに対し、サントリー選手の戻りの速さが際立った瞬間だった。
その後も3トライを追加され、13-51でノーサイド。試合後、大田尾選手は「グレーガン選手とピシ選手にコントロールされてしまった。試合の運び方が的確で、対応しきれなかった」と、肩を落としたが、「まだ、プレーオフ進出の望みがある。そして、10位以内も第11節で確定した。すべてをプラスに考えて、次の三洋戦、年明けのNEC戦の臨みます」と、最後は顔を上げ、ファン交流会の会場に向かって行った。