トップリーグ元年以来の熊谷ラグビー場。熊谷ドームが隣接されるなど、すっかり会場周辺の風景は変わり、ラグビーのみならず様々な競技が同日に熊谷ラグビー場周辺にて開催され、スポーツの街という穏やかな雰囲気が包み込んでいた。
赤城おろしで有名な熊谷ラグビー場だが、この日はほぼ無風。眩しい太陽光がグラウンドを照りつけ、スポーツの秋にふさわしいコンディションの中、正午にキックオフ。立ち上がりはリコーの大型FWにプレッシャーをかけられながらも、レヴィ選手を中心にバックス選手がゲインラインを突破し、チャンスを作る。前半7分、リコーのキックをチャージした小林選手がトライ。ひたむきにボールを追いかけた小林選手のプレーが他のヤマハ選手に響く。これで目が覚めたヤマハFWがリコー陣にラッシュし、最後はレヴィ選手、中園選手、レヴィ選手とバックス選手がしっかりとフィニッシュ。前半24分で早くも4トライを奪い、ボーナスポイント1を獲得する会心の出だしとなった。
26-0とリードした直後、リコーが反撃に出る。思い切りのよいランニングからリコーのバックスが2トライ決め、26-12と詰め寄る。第4節のホンダ戦、前節の近鉄戦のような緊迫感がヤマハベンチに漂いはじめる。その後もリコーがボールを支配し、ペナルティーゴールを選択せずに果敢にトライを狙う。防戦の流れを断ち切ったのが中園選手。味方のキックしたボールをしっかりと追いかけると、そこでラッキーバウンド。楕円のボールは、すっぽりと中園選手の胸に収まり、一気に中園選手がリコーゴールにタッチダウン。五郎丸選手のゴールも決まり、33-12と追加点を得て前半を終え、良いムードでハーフタイムを迎えることができた。
後半の立ち上がりも、レヴィ選手がディフェンスラインを突破し、開始1分でトライ。セットプレーで優位に立つヤマハFWがボールを出せば、スタンドオフの大田尾選手が自在にバックス選手を動かすヤマハのラグビーが熊谷で爆発。8分にレヴィ選手が「社会人となって1試合で4トライをしたのは初めて」というトライを決め、完全に勝負を決めた。その後も、矢富選手がスクラムサイドを抜け、トライ。最後は中園選手が大田尾選手からのロングパスを受けると一気にリコー陣内を駆け抜け、トライ。五郎丸選手がこの日6つ目のゴールを決めて、61-12と大量得点をあげた。後半残り10分はリコーの執念の攻撃があったが、山村選手の「今日の勝因はディフェンス」と言わしめるほど、15人のタックルが決まる。ヤマハ選手たちにとって、後半を無失点に抑えたことは大きな自信となり、次の神戸製鋼戦に向けて弾みをつける一戦となった。
シューラー監督
「今日は80分間のラグビーができた。今まではFWのアタックが多かったが、今日はBKが機能して、バランスのよいラグビーができた」
山村主将
「前節は60分までしか自分たちのラグビーができなかったが、今日は80分間、自分たちのペースでラグビーができた。最後に(トライを)取られることなく、後半を0点に抑えることができたのは大きい。今日の勝因はディフェンスでしょう。これを自信に、この勢いに乗って、次の神戸製鋼戦に挑みたいと思います。それから、少ない人数でしたが、大きな声援を試合中ずっと出してくれていたファンの方々に感謝しています。すごい励みになりました。これからもご声援をよろしくお願いします」
マンオブザマッチに選ばれたレヴィ選手
「大変光栄に思います。受賞できたのは、他の選手たちのおかげです。難しいトライではなく、たまたま自分がそこにいただけの簡単なトライですので、チーム全員で戴いた賞だと思っています。また、私自身はオークランド生まれのオークランド育ちなので国籍はニュージーランドですが、父と母がサモア生まれなので、今日の勝利をサモアの方々に捧げたいと思います。皆様の募金活動に大変感謝しております」